SQLインジェクションは、悪意のあるユーザーがWebアプリケーションに対して不正なSQLクエリを注入する攻撃手法です。PHPにおいても、SQLインジェクションは深刻なセキュリティ上の脅威となります。以下に、SQLインジェクションの仕組みと防止方法について解説します
SQLインジェクションの仕組み:
SQLインジェクションは、主にユーザーからの入力データを不十分に検証またはエスケープしてSQLクエリに組み込むことによって発生します。
攻撃者は、入力フォームやURLパラメータなどの入力フィールドにSQLコマンドを注入し、データベースに不正な操作を行います。
例:
次のようなPHPコードがあるとします
$username = $_POST['username']; $password = $_POST['password']; $sql = "SELECT * FROM users WHERE username='$username' AND password='$password'"; $result = mysqli_query($conn, $sql);
攻撃者が次のように入力することで、SQLインジェクションが発生します
username: admin'-- password: anything
上記の場合、SQLクエリは次のようになります: SELECT * FROM users WHERE username=’admin’–‘ AND password=’anything’
— はSQLのコメント記号であり、これによりパスワードの比較部分が無視されます。したがって、攻撃者はユーザー名を admin と入力するだけでログインできてしまいます。
SQLインジェクションの防止方法:
プリペアドステートメント(Prepared Statements)を使用する: プリペアドステートメントは、SQLクエリをあらかじめ準備し、後でユーザー入力をバインドする方法です。これにより、ユーザー入力のエスケープや検証が自動的に行われ、SQLインジェクションのリスクが低減します。
$stmt = $conn->prepare("SELECT * FROM users WHERE username=? AND password=?"); $stmt->bind_param("ss", $username, $password); $stmt->execute();
ユーザー入力のエスケープ: mysqli_real_escape_string() 関数を使用して、ユーザー入力をエスケープすることもできますが、これはプリペアドステートメントよりも効果が低い場合があります。
$username = mysqli_real_escape_string($conn, $_POST['username']); $password = mysqli_real_escape_string($conn, $_POST['password']);
入力検証: 入力値が期待される形式に一致することを確認することも重要です。たとえば、ユーザー名がメールアドレスの形式を持つことを確認するなどの検証を行います。
SQLインジェクションは深刻なセキュリティ上の脅威ですが、適切な対策を講じることで防止することができます。セキュリティに配慮したコードを書くことが重要です。
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